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*補論08 GIZAの改心

 世に「金字塔」という言葉がある。「金字塔を打ち立てる」といえば余人が真似できないような巨大な功績を挙げることを意味するが,それではその「金字塔」とは一体何のことかご存知であろうか?・・・答えは「金」という漢字に似た塔。すなわちピラミッドのことなのだ。

 何の話かと困惑されたら恐縮であるが,倉木が所属するレコード会社のマークはそのピラミッドであり,名称をGIZA(ギザ)Studioという。GIZAというのは実はエジプトの首都カイロ郊外,ナイル河畔にある村の名前である。そしてその村を有名にしているものが,エジプト古王国のファラオ,クフ王のもの(147m)をはじめとする世界最大の巨大ピラミッド群の存在である。そして,GIZAもクラキ王のもと今まで数々の金字塔を打ち立ててきた。

 しかし,最近どうもおかしい。

 と言っても,あちらこちらに書いているように私は非常にファン歴の浅い人間なので,GIZAと倉木の関係を体験的にはほとんど知らない。したがってこれから書くことは,各所ファンサイトで散見される情報や,バツ丸氏のGIZAおよびBeingに関する優れた論文等(特にFile No.19-22,32-40)で知りえた知識によるものに基づくものであることをご承知おき願いたい。

 倉木のデビューに関しては,まったくの無名の新人でありながらボストンレコーディングを敢行したり,「Baby I Like」でのアメリカデビューを行わせたりとGIZAはなかなかよくやった。しかし,「Love, Day After Tomorrow」のプロモーションビデオの一件で物議を巻き起こし,さらには吉本興業をも巻き込んだ「パクリ謝罪要求事件」など,倉木にいわれなきダーティーなイメージを植えつけてしまったことは責任を追及されてしかるべきであるが,その後は巨大セールスを連発し,良質なタイアップを獲得するなど商才を発揮し,倉木をスターダムに押し上げたことは積極的に評価したい。しかし,そのGIZAが2003年はどうもおかしかったのだ。

 「補論4」で示したとおり,「風」がひとまず落ち着きを見せたときも2001-2002の倉木とGIZAはよくがんばった。水準以上の作品を投入し,コナン,シーブリーズ等のタイアップも評判を呼んだ。しかし,2003年はどうであったか。

 

発売日曲 名タイアップセールス
2002.12Make my dayCX系「感動ファクトリー すぽると!」イメージ・ソング104,313
2003. 3Time after time~花舞う街で~東宝配給アニメ映画「名探偵コナン 迷宮の十字路」主題178,400
2003. 4Kissエフティ資生堂「SEE BREEZE」CMソング129,300
2003. 5風のらららNTV系アニメ「名探偵コナン」オープニング・テーマ118,100
2003. 7If I Believe「SEE BREEZE」CM,等443,689
7-12楽曲発表なし
2004. 1Wish You The Bestベストアルバムミリオン

 

 このように一覧化してみると分かるが,各シングル,アルバム等一定の水準を上回りはしたものの,それまでの倉木と比べれば確実に売り上げを落としていることが分かる。その原因を総括してみると。

  1. 「Make my day」の曲調が倉木の声質に合っていないと不評買う。

  2. 「Time after time」:PVが静止画のみであると失笑を買う。また,コナン映画の主題歌であったが,映画のプロモーションが始まる前にCD発売を行ってしまい,効果的なタイアップとならなかった。

  3. 「Time after time」「Kiss」「風のららら」と3ヶ月連続してシングルを発売したが,結果として購買意欲の低下を招いた。

  4. 「風のららら」はTVコナンの主題歌であったが,そろそろコナン・タイアップが飽きられてきた。

  5. 「If I Believe」は前作「FAIRY TALE」発売から9ヶ月ほどの時間で発売されたために準備不足の感をぬぐえず,またシングル曲を多数収録したために,新鮮味にかけるところがあった。

  6. 7月以降の沈黙がファンの不満を呼んだ。

 等々である。これらの,「失敗」とまでは言わないにしても多少ちぐはぐな販売戦略はあまり成功したとは言いがたく,相対的に「倉木落ち目論者」を勢いづかせてしまった。まったく遺憾である。

 しかし,年末頃からプロモーション担当者の交代でもあったかのように,その販売戦略が俄然活気づいてきた。

 まず,10月の「京都学生祭典 平安神宮ライブ」への出演と,NHKによる中継録画のTV放送がある。このライブは倉木がライブで始めてミニスカート(キュロット?)で登場したということもあり,マスコミに大いに注目され,またNHKとの大きなパイプを培うことに有益であった。続いて「紅白歌合戦」への初出場(TVへの初生中継)を行い,NHKとの絆をさらに強力なものとし,その関係をてこに2004年春,夜の連続ドラマの主題歌タイアップを勝ち取った。

 さらには紅白歌合戦と2004年1月2日の平安神宮ライブのNHK再放送をプロモーションの手段として効果的に利用し,ベストアルバムのミリオンセラーの快挙を達成した。

 続いてDVD「My Reflection」を発売し,ファンに対して一気に露出度を上げてきた。

 そんな中,「新曲」だけは「風のららら」以来一向にアナウンスされず,ファンをやきもきさせていた。しかし,2004年3月突如新曲「明日へ架ける橋」がアナウンスされるとともに,NHKの夜の連続ドラマの主題歌となることが発表された。これは「コナン」のタイアップがそろそろ食傷気味となってきたことに対する効果的な対応であろう。

 またさらに細かい対応が続く。

 「明日へ架ける橋」はしばらく発売日未定の状態が続いたが,「よるドラ」の第1回分の放送日である3月29日まさに当日に発売日とカップリング曲が発表された。さらにカップリングの作曲陣が人気のYOKO Black.Stoneと大野愛果であることも分かり,ファンの心をいたくくすぐった。さらには,曲名や発売日の類推からカップリングとされた曲が実は次回のドラマの主題歌となり,「トリプルA面」CDとなるかもしれない。

 また,このドラマの放映中の4月~7月はちょうどライブツアーが続くため,新曲が「ライブで初めて歌われる」可能性が大きく,ライブの成功にも寄与することが期待できる。

 最近のGIZAの動きをこう見てくると,昨年の「失敗」が嘘のように思える心憎いまでの繊細さを感じる。GIZA内部での真摯な反省と将来を見据えた「改心」があったのではないかと感じてしまう。そして,もしそれが事実なら,今年の倉木に対する期待もさらに強まる。ファンならずとも楽しみな1年となることは間違いない。

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