倉木はどのくらい「学力」があるのだろうか?
妙な問であるが,これもまた2チャンネルによく見られる話題に「倉木は頭が悪い」というものがある。きわめて失礼な話で黙殺すればいいのだが,今日はまともに取り上げて反論を加えてみようと思う。
というのも,今日"Mai-K TV"の第17回放送を見ていてふと気がついたことがあるからだ。
この放送の中で,西室ディレクターが倉木にあるものを渡すと,倉木は絶句し喜びのあまり言葉にならないという場面がある。渡されたものは倉木が敬愛するアメリカのR&Bグループ「ディスティニーズ・チャイルド」のCDで,そこには「To Mai.K」と送辞付きで彼女たちのサインが入っていた。倉木が喜ぶのも無理はなかろう。私のところにもし,「大好きなちゃぶー様へ from Mai.K」なんてサインが入った「Wish You The Best」が届けられたら,私は翌日には変死体で発見されているだろう。
それはさておき,倉木に届けられたのはそれだけではなかった,ディスティニーズ・チャイルドから倉木へのビデオメッセージまであったのだ。その中でディスティニーズ・チャイルドは倉木のCDやDVDを手に,
「これからファーストライブがあるんですってね。がんばってね。あなたはとっても素敵なシンガーだからきっと"サーヴァイヴ"するわ。」
と倉木に語りかける。すると倉木はそれを聞いて大感激しながら,その"サーヴァイヴ"という言葉にきちんと反応し,自身「サーヴァイヴァーになる」と派生語を持って応答するのだ。もちろん字幕はあったろう。TVにはカタカナで"サーヴァイヴ"と表示されていた。それがどうしたと言わないで欲しい。この言葉,すなわち"survive"は決して中学校レベルで出てくる単語ではない。特に現在「ゆとり教育」が行き渡り,英語の学習時間が大幅に削減されていることを考えると,高等学校の,しかもかなりの学習段階にならなければ登場しない単語である。さらには会話よりは文語の中で多用される単語である。その単語に倉木は即座に反応したのだ。
倉木の書く英語詞は非常に初歩的で熟していない表現が目立つこともあって,彼女の英語力については私も今まで実際にはどのくらいのレベルなのか確証がつかめずにいた。しかし,この放送を見て確信がもてた。「倉木はかなり英語ができる」と。しかも,ただまわりの外国人ミュージシャンの間で世間話をする中で培った会話力だけではなく,受験英語にも足る英語学力があるのではないか。そう考えてみると,倉木が曲を紹介するときに(日本語風の発音ではあるが)単語の読み方を間違えたのを聞いたことがない。しかも,情報についても音楽の専門家であるはずの西室ディレクターも舌を巻くほどの博識である。
自分でも実際に経験することだが,英語は聞くよりも話す方が,読むよりは書く方が数倍難しい。倉木の英語詞を見てそれを「洋楽の英語詞」と比較して云々することの愚かさを感じたが,それにしても明らかなミスがきわめて少ないことを見ても,実はこの人の英語力はかなりのものではないかと思うのだ。しかも,取り組む姿勢がすばらしい。著書「myself music」の中で,初めてエクスペリエンスのメンバーと出会う前日何を話したらいいか「辞書を引き引き」考えた…という行がある。英語がまったく分からないものならこんなことはできないし,しようとも思わないだろう。しかし実際には「帰国子女でもなんでもなく,洋楽や洋画が好きだったから多少ヒアリングができるくらい」(myself music)というのは謙遜なのだろうと思わせる事実である。
以上は「英語」だけに限ったことではあるのだが,さらに付け加えれば,彼女が通う立命館大学は関関同立(関西学院,関西,同志社,立命館)と並び称される関西私大の雄であり,倉木の通う「産業社会学部」は約「60」の偏差値を誇る。これは,関東なら名門津田塾大学や立教,明治に匹敵する。それでも倉木が受けたのは「一芸入試」だろうというものもいるが,以下に本年度の立命館大学入試要項の「一芸入試」(正式には「文化・芸術活動に優れた者の特別選抜入学試験」)に関する部分を挙げてみよう。
* 出願資格 (一部略,興味がある方は「ココ」を参照のこと)
次の(1)~(4)の条件を全て満たす者
- 2004年3月に高等学校または中等教育学校卒業見込みの者。
- 本学への入学を専願とする者。
- 高等学校における学業成績が、1年次から3年次第1学期までの全体の評定平均値が、5段階評価で原則として「3.2」以上の者。
- 文化・芸術活動において優れた実績を持つ者。
ここで,(1.)(2.)は問題ないし(4.)はおつりが来るだろう。ということで,問題は(3.)になる。「評定平均3.2以上」とはどのくらいの学力を持つ高校生であろうか。もちろん,高校の学習レベルが違えばまったく比較にならないのだが,大まかな目安を言えば,全校生徒の約半数が国公立大学へ進学するというレベルの高校なら,大体評定平均「3.5」くらいから国公立大学合格者が出てくる。国公立大学へ進学するには全教科満遍なく学習することが求められるので,不得意科目があったり,勉強時間が取れないものにとってはかなりの難関となる。倉木の評定平均値は3.2以上であったことは確かだが,いったいいくらだったのかは当然分からない。しかし,倉木の母校立命館宇治高校は大変な難関校であると聞くので,高平均値をそろえるのは音楽活動と二足のわらじを履く倉木には大変なことであったろう。それでも,たとえばシミュレーションをしてみれば,
国語 | 4 |
---|---|
地歴 | 3 |
公民 | 3 |
数学 | 2 |
理科 | 3 |
保体 | 2 |
英語 | 4 |
芸術 | 5 |
家庭 | 3 |
平均 | 3.2 |
「最低」でもこのくらいは必要となる。実際には「国語」は「5」の可能性が高いし,家庭科も得意かもしれない。もし,この「最低ライン」なら倉木の成績は高校で「中の下」くらいであろうが,実際には「これ以上」であるので,どこまでよかったかは分からない。
ごたごた書いて分かりにくくなってしまったが,要するに「成績が悪くては入れない大学」=「倉木の学力の証明」であることはお分かりいただけたと思う。
だからこそ,言いたい。倉木は決して頭は悪くない。特に作詞能力やMai-K TVの様子などから見ても,国語・英語の文系科目に関しては十分「優秀」と言っていいのではないだろうか。(理数系科目に関しては優秀ではないということではなく,判断する基準を持たないということ。)
しかも,音楽活動と学業をきちんと両立し,「mi corazon」では,大学での第二外国語スペイン語の歌詞に挑戦するなど,積極的に新たな課題に取り組む姿勢も評価できる。
倉木ファンの中高生諸君。君たちはいいお手本を持った。倉木を応援するとともに,彼女の生き方を参考にしっかり努力をしてもらいたい。