No.3


 話は変わるが,倉木のライブに3回参加して感じたことがある。

 それは,聴衆の質。

 明らかに高い。

 何を持って「高い」というかは別にしても,私は参加したライブ会場で一人の「ヤンキー」の姿も見なければ,一人も茶髪,ミニスカ,ルーズソックスの女子高生の姿も見なかった。(もちろんそういう人が悪いわけではなく,彼ら彼女たちが倉木のファンであることはうれしいことなのだが,要するに普通の「アイドル」のライブとは雰囲気が異なるということ)これは実は驚くべきことである。

 逆に目に付くのは,メガネをかけた(推定)理科系学部の大学生,ひと年取った熟年,初老の紳士,そして母親の同伴を受けた品行方正そうな女子中学生…。すなわち,とても「21歳の美人女性歌手」の公演ではなく,観客の雰囲気だけ見ればクラッシックのコンサート,それも人気あるベートーヴェンやモーツァルトの交響曲ではなく,「知る人ぞ知る」マニアックな弦楽四重奏団の小ホールでの公演に集った「マニアックな」聴衆を想像してしまう。

 彼らは一人一人が「確信犯」である。ただなんとなく誰かに連れられてきたのではなく,ただなんとなくテレビで宣伝しているからやってきたのではなく,チケットの争奪戦を勝ち抜き,どんなに公私共に多忙であろうとも万難を排してホールに詰め掛けた筋金入りのコアなファンである。なぜそうなるかは明らかだ。努力できないものは倉木のファンにはなれないからだ。

 また,ファンサイトの運営者を見ても,高学歴層が多く,中高生にしても大人顔負けの知識・技術を持っている方が多い。


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