No.2


 すぐにわかることは,大野の楽曲の売り上げが1シングル平均516,845枚,徳永のそれが,294,015枚と,ダブルスコアに迫る勢いで大野が提供した楽曲の売り上げが上回っているということだ。ということは,やはり倉木の歌は大野の曲でなければならないのか?

 しかし,少し見方を変えてみたい。補論4でも述べたが一世を風靡したようなアーティストには必ず「風が吹く」時がある。倉木の場合はデビュー直後の2000年の状況がそれに当たる。まさに倉木自身が「吹きあれる波に のみこまれない様に」と歌うような追い風が吹いていた。その意味で,いわゆる「初期三部作」は倉木のキャリアの中でかなり特別な立場にある曲であり,倉木のアーティストとしての実力をきちんと見極める時期は2001年以降ということができるのではないかと書いた。


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