No.2


 著作権の問題があるので,あまり細かい引用は差し控えるが,明らかに二つのことに気が付く。まずひとつは使われている単語が非常に初歩的なものである,言い換えれば中学生でも知っているような単語だけで書かれているということである。また表現も熟していない。「英語」としてはこなれておらず,日本語直訳調の英語詞が目立つ。これは他の曲でも同様で,ある程度の英語力を持つ高校生なら,まず辞書を引くことなく読み通すことができる。わざわざ高校生が書いたと偽装したのならともかく,プロの「おとな」の作詞家なら,このような詞は書けなかったのではないか?

 もうひとつの事実がある。倉木の英語詞はほとんど「韻」を踏まない。

 私も戯れで,多少は自分で作詞作曲などすることがあるので感じることだが,カッコつけて英語詞を書こうとすると韻を踏まずにはいられない。プロならなおさら避けて通ることができないことだろう。しかし,倉木の詞は韻を踏んでいないのである。そのため彼女の英語詞部の歌はあたかも「朗読」のような誠実な迫力を持って聴くものに迫る。

 この二つの事実から感じられることは,これらの楽曲の歌詞がプロではなく,歳若いアマチュアによって書かれたということである。これは,やはり「作詞:倉木麻衣」という事実を証明する証拠のひとつになるのではないだろうか?


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