「倉木麻衣論」でも書いたが,この曲から倉木の英語が消えた。その意味で倉木の新しい旅立ちを象徴する曲でもある。「natural」の解説で述べたように,倉木は20歳を迎えた春をきっかけに「自分らしく」生きる道を選択した。そして,「Time after time」からはタイトル以外の英語詞が消え,この曲ではついに完全に日本語だけとなった。(コーラスは英語だが)
ここで多少うがった考え方をすれば,今まで英語を多用していたのは「レコード会社の方針」であったのか?そこまでいわずとも,倉木自身が作風の変化を打ち出してきたのが明らかなら,次回曲ではその傾向がさらにはっきりするであろう。新曲が待たれるところだ。
内容は
「その時々の状況で,風の音も楽しい時は笑っているように,不安だったり悲しい時は泣いているようにと,違って聞こえる」
と,倉木が常日頃感じている事を表現しているのだそうだが,まさに吹きぬける風の音が聞こえてきそうなさわやかなナンバーに仕上がっている。
相手は「君」と呼ばれるが,この曲ではどうも主人公は男性のよう。
2.はYoko氏の曲らしくなく,R&Bというよりはむしろアンプラグドなカントリーナンバーのように聞こえる。
同じコードで,主旋律でカウンターパートの別メロディが歌われたり,後追いコーラスがあったりするのはビートルズっぽい。
詞はいつもの倉木の「人生応援ソング」。
「自分を信じて ありのままでいい」
という,いつもの"Let it be."のメッセージが歌われる。
夢は信じ続ければ生きてる
の歌詞は「Stay by my side」の
捨てない限り 夢は逃げていかない
を思い出す。自らの経験に基づいた倉木の永遠のメッセージだ。