"Make my day"は映画「ダーティー・ハリー」の中でクリント=イーストウッド演じるキャラハン刑事が,犯人に愛用の44マグナムを突きつけながら言ったセリフが当時流行したもので「楽しませてくれ」という意味だとのこと。(情報提供(Mai-K ML管理人J.P.氏)
1960年代生まれの私が知らなかったこの表現を倉木が知っていたというのは,やはり彼女の映画好きのせいか。
この曲がリリースされてしばらく後の2003年3月(日本発売は5月),1970年代を代表する名曲中の名曲"Alone Again (Naturally)"のギルバート=オサリヴァンが同じく"Make My Day"という曲をリリースしている。単なる偶然か?それとも…。
曲は徳永暁人作曲のドラムのビートを効かせた激しいロックナンバーで,リリース当初はファンの間でも倉木の声質に合わないと賛否両論があったようだが,倉木のキャリアを広げるためにもプラスではなかったかと思う。ただ,へヴィなロック調の曲ではあるのだが,倉木はあまり「ロック・ボーカリスト」のようには歌わず淡々としている。むしろ,曲自体はもっとおとなしいが,ジャニス=ジョップリンを髣髴とさせる「Just A Little Bit」における歌唱の方がはるかに激しい。少し中途半端なきらいは残る。
スポーツ番組のイメージソングということを意識してか,曲の端々にスポーツの匂いがする。恋人を「君」と呼ぶ芯の強い倉木は,失いそうな恋を全力を挙げて取り戻そうとがんばる。途中で,一瞬気弱になるものの(「出会わなければよかったのかも」,あるいは第3メロディの「どうか神様お願い もっと私を変えて」)最後には強い意思を持って未来へ向かって進んで行く。
「勝利の女神」という表現が印象的なので,ひょっとしたらスポーツ用品メーカーの「ナイキ」が「感動ファクトリー すぽると!」のスポンサーになっているのではないかと思ってTVを見てみたが違った。ナイキ(NIKE)はギリシア神話の勝利の女神「ニケ(NIKE)」のこと。パリのルーブル美術館にある「サモトラケのニケ」が有名。ということで,ナイキさん。今からでもこの曲を御社のCMに使ったらどうだろうか?
2.は自分を捨てて他の女性に走った元彼に対する未練の歌。ただ,彼を「君」と呼ぶからには泣き言は言えない。彼に見えないところで「取り返したい」想いをつぶやくのだ。心の中で"あみん"の「待つわ」が流れてきた。
"wanna"="want to"
俗語表現。当然学校では絶対教えないがポピュラー音楽の歌詞では多用される。類似表現に
"gonna"="going to"
があるが,この表現も「NEVER GONNA GIVE YOU UP」で使われる。マイケル=ジャクソンを知って歌手を志したという倉木にとっては慣れ親しんだ表現であったろう。