Secret of my heart

CD No.:GIZA USA 2200100012  Release:2002年01月10日


 "Mai-K"名義のアメリカ発売盤。一部を除いてすべて英語詞となっている。

 ただ,本当にアメリカでのヒットを狙っての全米発売か,日本市場向けの話題づくり先行なのかはやや不明。というのは,もしアメリカでのヒットを狙うのなら少なくとも,歌詞は原曲の趣旨を残した上でのネイティブによる新たな作詞があってもよかったのではと思うからだ。しかし実際には12曲中5曲が"Words by Mai Kuraki"とクレジットされている。ゴーストライターかとも思って詳細に詞を確認してみたが,どうも詞のフィーリングはいつもの倉木節。一部の例外を除いてほとんど韻も踏まれていない。「Stay by my side」などは日本語詞の直訳部分が目に付く,全体として英語としてこなれていない…など,やはり基本的には倉木自身が作詞しているとしか思えない。ただ,彼女が今まで使ったことが無い単語(scream,celebrate,seem to,hidden,reborn,dawn,cardinal etc.)が使われているし,「Love, Day After Tomorrow」では,私がシングル曲解説で触れたように,英語としては不自然であった

  "You are the first thing on my mind."

という表現が

"You're the one on my mind."

と英語らしい表現に改められているので,当然のことながらネイティブも含めて英語のアドバイザーが存在し,かなりの部分で手が加えられていることは想像に難くない。そう思ってクレジットを確認するとErica Haupt(8),Deron Reynolds(1,5,6,7,9,10)の二人の人物が"English translation support"として挙がっていた。"wind whisper"といったような「Tonight, I feel close to you」に似た表現があるので,ディレクターの西室斗紀子氏のサジェスチョンもあったのかもしれない。

ともあれ,シングルとしては廃盤となった「Baby I Like」が収録されているなど,ファンにとっては必携のアルバムである。


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