No.4


2.音楽性

 音楽性といってもいくつかのテーマがあるが,音楽監督的な立場に立っているのが前回リードギターを担当し,今回は編曲とPA調整卓を担当していた大賀好修氏のようだ。また,演奏に関してはジェフリー=クェスト氏を中心とするexperienceが倉木と息の合ったところを見せる。こういったベテランのサポートを得て,今回倉木は水を得た魚のように縦横無尽にステージを泳ぎまわる。

 問題はあくまで「歌唱」であろう。

 倉木のライブの歌唱については今までいいことばかりが言われてきたわけではない。大体この人は大変なあがり性のようで,緊張すると声が震えたり歌詞を忘れる(間違える)癖がある。もちろんプロとしては改善すべきであるのだが,今回のライブではどうだっただろうか?

 私が参加した8回のライブのうちでも,歌がおかしくなったことは数回あった。「風のららら」の歌いだしでのどが詰まったようになり声が一瞬出なかったり,「Stay by my side」の後半の早いパッセージで,舌がもつれたか,ちょっと呂律が回らないようになったりしたことがあった。プロなのだからあってはならないことだと言ってしまえばそれまでのことで,当然改善しなければならないことだが,2時間近いステージの中で,このくらいのミスは,まぁ大目に見なければならないだろう。


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