No.2


 1.ツアーの意義

 「意義」というのも大げさだが,倉木のツアーにはそれぞれの回において込められた意味があったと思う。

 まず,「happy live 2001」であるが,ここでは,「パフォーマンスを見せ・聴かせる」ことよりは,それまで神秘のベールに包まれていた美少女歌手「倉木麻衣」を世間にお披露目するという顔見世興行的な意味があった。そのため,パフォーマンスの内容はやや準備不足の感じがし,倉木自身も緊張で固まってしまい100%の力を出し切っていない印象を与える。やっと孵化して,はじめて見た太陽の輝きに目を細めている「第一齢幼虫」といったところか。

 続いての「Loving You...2002」は初めてのアリーナライブであり,準備も怠りなく内容にも大幅な向上が見られる。まだまだライブ慣れしてはいないものの,ここでは倉木とスタッフの「歌を聴いてもらおう,パフォーマンスを見てもらおう」という強い意欲が感じられて好感の持てるライブパフォーマンスとなっている。黙々と緑の葉を食べ,大きく成長していく幼虫。そろそろさなぎが見えてきた。


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