No.3


 しかし,年末頃からプロモーション担当者の交代でもあったかのように,その販売戦略が俄然活気づいてきた。

 まず,10月の「京都学生祭典 平安神宮ライブ」への出演と,NHKによる中継録画のTV放送がある。このライブは倉木がライブで始めてミニスカートで登場したということもあり,マスコミに大いに注目され,またNHKとの大きなパイプを培うことに有益であった。続いて「紅白歌合戦」への初出場(TVへの初生中継)を行い,NHKとの絆をさらに強力なものとし,その関係をてこに2004年春,夜の連続ドラマの主題歌タイアップを勝ち取った。

 さらには紅白歌合戦と2004年1月2日の平安神宮ライブのNHK再放送をプロモーションの手段として効果的に利用し,ベストアルバムのミリオンセラーの快挙を達成した。

 続いてDVD「My Reflection」を発売し,ファンに対して一気に露出度を上げてきた。

 そんな中,「新曲」だけは「風のららら」以来一向にアナウンスされず,ファンをやきもきさせていた。しかし,2004年3月突如新曲「明日へ架ける橋」がアナウンスされるとともに,NHKの夜の連続ドラマの主題歌となることが発表された。これは「コナン」のタイアップがそろそろ食傷気味となってきたことに対する効果的な対応であろう。

 またさらに細かい対応が続く。

 「明日へ架ける橋」はしばらく発売日未定の状態が続いたが,「よるドラ」の第1回分の放送日である3月29日まさに当日に発売日とカップリング曲が発表された。さらにカップリングの作曲陣が人気のYOKO Black.Stoneと大野愛果であることも分かり,ファンの心をいたくくすぐった。さらには,曲名や発売日の類推からカップリングとされた曲が実は次回のドラマの主題歌となり,「トリプルA面」CDとなるかもしれない。

 また,このドラマの放映中の4月〜7月はちょうどライブツアーが続くため,新曲が「ライブで初めて歌われる」可能性が大きく,ライブの成功にも寄与することが期待できる。

 最近のGIZAの動きをこう見てくると,昨年の「失敗」が嘘のように思える心憎いまでの繊細さを感じる。GIZA内部での真摯な反省と将来を見据えた「改心」があったのではないかと感じてしまう。そして,もしそれが事実なら,今年の倉木に対する期待もさらに強まる。ファンならずとも楽しみな1年となることは間違いない。


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