No.2


 最初に書いたように,もちろんその容姿は関係がある。しかし,それは別にオジサマに限ったことではない。中高生とて同じことであろう。それでは,なぜ我々40代は(もちろん30代以上60代〜70代の方を含めて)倉木麻衣というアーティストにこんなにも魅せられるのか?

 答えは当然彼女の音楽の中にある。ファーストアルバム「delicious way」はそうでもなかった。このアルバム時期の曲は,やはり「等身大」の倉木を前面に押し出し,中高生・大学生あたりをその主たるターゲットにしていたような感じがある。たとえば「Love, Day After Tomorrow」には,

 「メールで送った文字じゃ 返事は来ないね」

という一節がある。今から4年ほど前倉木がデビューした当時,すでに携帯電話は女子高生の必須アイテムとなっていたが,オジサマ方が愛を語るツールになっていたかといえば疑問符がつく。また,R&Bというジャンルの音楽もまだまだ若者向けの音楽ということができたし,倉木のルックス自体まだ非常に幼かったので,倉木に夢中になるにはオジサマたちは胸の中の背徳感と闘わねばならなかった。


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