No.6


 しかし,倉木はたとえ成功を収めても一つのところに安住しない。歌詞の変遷でも触れたが,音楽的な成長・発展だけでなく,人間としても成長しているようだ。まさにA rolling stone gathers no moss.である。これほど現れるたびにイメージの変わる女性も珍しい。"Love, Day After Tomorrow"の絶世の美少女は,すぐ次の瞬間"Stay by my side"の多少もったりとした素朴な少女に変わる。かと思えば,トレードマークにもなったマイケーヘアで,独自の世界を作り上げ,しかし,突然京都学生祭典や紅白歌合戦に全く違った顔で登場する…。彼女の著書「myself music」の中で,倉木は,大学の教室に自分をひと目見ようと探しに来た学生が,目の前を通っても自分のことに気が付かなかったというエピソードをあげているが,さもありなんである。自分の本質を決して曲げることはないながら,ひとつところにとどまらず,つねに変化を遂げ成長する。そんな彼女の姿に多くのファンは「癒される」のであろう。

 ここまで書いてきて思うことは,まだまだ足らない私の知識への腹立ちである。これからも研究を続け,本当の意味で「役立つ倉木麻衣研究」が構築できるようになりたいものだ。

 あいまいに飾った言葉はいらない・・・。


■前に戻る

◆目次へ戻る